2月18日(金)KISデイリーレポート

CME225先物が26800円台で返ってきた。400円安程度の下げ圧力をどうかわすかが本日の相場展開となろう。今朝のモーサテの開設にもあった通り、ロシアはウクライナ侵攻はしないのではないかという意見に同意。クリミア同様にウクライナ東部併合を狙ったとしても、その後の維持コストがロシア経済の復興に大きなマイナスとなるし、西側の経済制裁がロシア経済の破綻、強いてはプーチンの失脚にも繋がりかねないことは明白だからである。戦争費用も馬鹿にならない。15万の兵力はブラフである可能性も考えて今後の状況を見守っていきたい。

 

10:10 18日午前10時時点の日経平均株価は前日比354円安の26878円。朝方は、売り優勢で始まった。現地17日にバイデン米大統領が、数日内にもロシア軍によるウクライナへの侵攻があり得るとの見方を示し、地政学リスクへの警戒感から17日の米国株式が下落した流れを受け、一時26792円(▲440円)まで下落した。その後は下げ渋っているが、戻りは鈍い。東証1部の騰落銘柄数は値上がり357、値下がり1704。東証業種別株価指数では全33業種中、31業種が下落している。値下がり率上位業種は、精密、機械、電機など。値上がりは2業種で、海運、電気ガス。 午後10時15分現在の東証1部の売買代金は 9679億3700万円。個別では、東京エレクトロン(8035)、ファナック(6954)、アドバンテスト(6857)、信越化学工業(4063)などの半導体関連株や機械株が大幅安。4銘柄で日経平均を約155円ほど押し下げる格好となっている。

10:30 住友金属鉱山(5713)、大平金(5541)、三菱鋼(5632)が強い。地政学リスクの高まりから資源価格の高騰を受け素直に株価に反映されている。冶金工(5480)、大紀アルミ(5702)、東邦亜鉛(5707)、UACJ(5741)など利食いに押されているが、反発も近いだろう。住友金属鉱山は新中計策定、3年で6030億円投資、車載用電池正極材増強が報じられている。

10:33 アメリカのブリンケン国務長官がロシア外相ラブロフ氏と来週会談を持つとのニュースが流れ、日経平均は急反発、2分間で260円上昇。ボラティリティの高い相場が続いている。ニュースのたびに一喜一憂してたのでは投資どころではない、一歩引いて情勢を見守るのもありだろう。

10:53 大成建設(1801)清水建設(1803)の大手ゼネコンや三井不動(8801)、三菱地所(8802)の大手不動産など内需株がしっかりの動き。情報通信系やマザーズからの撤退資金が一部流入している模様。上値にしこりの少ない手垢のあまりついてない銘柄群が堅調だ。

11:00 防衛関連の一角が堅調な動き。豊和工(6203)、石川製作所(6208)、細谷火工(4274)、重松製作(7980)などがしっかりの動きだが、軍事リスクが高まるとこれらの銘柄は毎回物色される傾向にあるが、短命に終わることも多く、手出しはしない方が無難だろう。

11:10 日経平均は27100円を超えてきた。27079円を超えれば週足陽線となり、週足ベースで3連陽となる。このまま引けてくれればと切に思う。33業種中14業種が陽転。海運、輸送用機器、医薬、鉄鋼、非鉄が高く、サービス、精密機器、銀行、ゴム、鉱業が安い。

11:30 日経平均は続落。27094.16円(▲138.71円)で前場の取引を終えている。レーザーテック(6920)と東エレク(8035)が揃って3%前後の下落。前日の米市場でアプライド・マテリアルズやエヌビディアといった半導体関連株が決算を受けて売られ、東京市場にも波及しているようだ。キーエンス(6861)やリクルートHD(6098)もさえない。決算発表銘柄ではトレンド(4704)が大幅に下落。また、外資系証券の投資判断引き下げが観測されたファナック(6954)は5%近い下落で、THK(64811)は東証1部下落率上位に顔を出している。一方、郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎船(9107)といった海運株が堅調で、ソフトバンクG(9984)やトヨタ自(7203)もしっかり。

商社株について短期的には株価が大きく上昇した反動を想定する見方もある。SMBC日興証券は16日付の商社株のリポートで、3月にかけて権利落ちに伴う利食い増加の可能性を指摘。また、足元で商社株の上昇要因になっているウクライナ情勢が沈静化に向かった場合も、いったん資金が離れるとみている。また、来3月期は各社が慎重な業績予想を打ち出してくるとも考えられる。もっとも同証券は、息の長いインフレ局面で、商社株は川上優位の構図の恩恵を受けると予想。中・長期の銘柄選別として、三井物産(8031)、伊藤忠(8001)、豊田通商(8015)をコア銘柄に位置付けている。Kisではインフレ局面が続く限りバイ&ホールドで臨む方向である。

13:30 大和証券が今月Kis推奨のオリックス(8591)の目標株価を2800円→3000円に引き上げている。(レーティングは最上位据え置き)金融、不動産の復調と航空機リースの復調が取りざたされている。低ボラティリティだがポートフォリオに組み入れるべき銘柄だと思う。PER9.12倍、PBR0.91倍、予想配当利回り3.60%。

13:42 JUKI(6440)が変わらずまで戻ってきた。一時681円(▲21円)まであったが、この5日間は安値を680円台として下げ止まりの動きを見せている。本日5D移動平均線を超え、PERは6.63倍、PBRは0.58倍、予想配当利回りは4.28%。推奨直後に大きく値を上げ11/25には1057円まで買われたが機械セクター全体の売り物に加え、決算でも材料出尽くしの売りがかさんだが、下値を丹念に拾う動きもみられる。ホルダーの方はナンピンをお勧めしたい。短期的に見ても100円程度のリバウンドはありそうだ。

14:00 18日後場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は小安い水準で一進一退。前日比80円ほど安い27100円台半ばで推移している。株価指数先物に断続的に買いが入るなか、指数も下げ幅を縮小し、前日終値に比べ16円安となり、27200円を上回る場面があった。もっとも、ウクライナ情勢はなお不透明なままだ。週末を控えて、持ち高を一方向に傾ける動きは限られている。東証1部の値下がり銘柄数は14時現在で1088と全体の5割を下回っている。
ファナック(6954)やブリヂストン(5108)、ニコン(7731)、日揮HD(1963)が下落している。ANAHD(9202)は下げ幅を縮めている。一方、ZHD(4689)や楽天グループ(4755)は上げ幅を広げた。川崎汽も一段高となっている。

14:14 マザーズ指数は5日ぶりに陽転。711.34p(+1.17p)まで戻ってきた。一時685.82pまで売られ本格的な戻りにはまだほど遠い。25D移動平均線は772.67pで1日約7pずつ低下中。仮に後20営業日7pずつ下がるとマザーズ指数は3/20前後に570pとなり昨日考察した水準(節)とほぼ一致する。そうならないことを祈るばかりである。

 

東証指数終値 2/18
日経平均 27122.07円 ▲110.80円 ▲0.41%
TOPIX  1924.31 ▲6.93 ▲0.36%
マザーズ 708.81 ▲1.36 ▲0.19%

後田 泰孝

後田 泰孝株式会社クロサイ 代表取締役

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